月に秘めた恋
「・・・」


俯いて 何も言わない・・・


俺ってそんなに頼りないのか?


「まぁ・・・無理にとは言わない


待ってるよ


未憂が・・・話してくれるまで」


だから そんな顔しないで欲しい


「ごめんね・・・?」


「謝るのは お前じゃないだろ?」


どうして 未憂が謝るんだよ?


謝る必要なんて・・・ないのに


俺は そんな未憂の頭を


そっと撫でた


「今日は 少し休めよ?


また 様子見に来るから」


「・・・優しいんだね 湊君」


「え?」


「もし・・・李生より前に会っていたら


湊君と付き合いたかったな」


ドキン


どうして そんな事言うんだよ?


「・・・バカ 冗談言うなよ


じゃあな?」


そう言って 俺は保健室を出ようとした


ぎゅ


突然 袖を掴まれた


「もう少しだけ・・・一緒に居て?」


「・・・未憂」


そんな彼女の声が 余計に


悲しそうに聞こえた
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