月に秘めた恋

そう　わかって欲しかっただけ・・・


それだけなのに


「湊君は・・・本当に


優しいんだね？」


「・・・」


違う・・・俺は本当は


優しくなんてない


ずるい奴なんだよ・・・


李生の・・・彼女を


今こうやって抱き締めて


おまけに好きだなんて


告ってるし・・・


「・・・私　李生を裏切っちゃった」


「え？」


突然の未憂の言葉に驚いた


「だって・・・湊君　


知ってたんでしょ？ 私の気持ち」


そう言いながら　俺を押し退ける


「私は　李生の彼女だから・・・


ずっと裏切っちゃ


ダメだって思ってた


傷付くのは・・・李生だから」


ドクン


「でも　実際傷付いてるのは・・・


お前だろ？」


「・・・違うよ　私は李生のそばに


居る資格なんてないの」


涙を流しながら　未憂はそう言った