月に秘めた恋
未憂の心には まだ李生が居る


なら・・・俺は


「今は・・・無理でも


少しずつでいい」


「え?」


「俺の事・・・ゆっくりでいいから


好きになって欲しい」


李生を忘れろなんて 思ってない


だけど ほんの少しでも


俺を好きになってくれれば・・・


それでいいと思った


「どうして?


どうして・・・そこまで私の事を・・・」


「好きだから・・・って


理由になってないか」


でも それ以外に理由なんてない


「だけど 湊君の事・・・


傷付けるかもしれないのに」


「・・・いいよ 俺は何があっても


後悔する覚悟だから」


今すぐ好きになって欲しいなんて


思ってない


李生を忘れる事は きっと


未憂には無理だから


「私は・・・ずっと湊君の事・・・


想っていたの


だけど・・・それは・・・」


未憂は 声を震わせながら言った
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