月に秘めた恋
未憂は起き上がって 腕を押さえた


「・・・痛むのか?」


「平気・・・」


ガシ


「いっ・・・!」


腕を掴むと 痛そうな顔をしていた


「捲くるぞ」


「え?」


俺は 未憂の袖を捲くった


腕は少しあざになっていた


「・・・なんでこんなになるまで


放っておいたんだよ!?」


「・・・ごめんなさい」


つい・・・怒鳴ってしまった


「悪い つい感情的になって・・・


冷やさなきゃな 


氷持ってくるから」


そう言って 椅子から立って


ビニール袋に氷を入れて


タオルに包んだ


「ほら・・・」


「ありがと・・・」


そう言って 氷の入った袋を受け取り


腕に当てた


「・・・さっきさ 迷惑かけたく


なかったからって言ったよな?」


「・・・(コクン)」


「あのさ・・・別に迷惑かけても


俺は困らないよ」
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