月に秘めた恋

---未憂side---


ドキン　ドキン・・・


まだ・・・ドキドキ言ってる


電話かけたの迷惑だったかな？


でも・・・声聞きたかったし


ベッドの布団に潜った


落ち着かなきゃって思ってても


落ち着いてくれない


李生・・・私　これでよかったんだよね？


忘れなきゃいけないよね？


「はぁ・・・」


コンコン


「未憂？　ご飯よ」


「あ・・・うん！」


お母さんが部屋のドアを


ノックしてそう言った


引っ越して　学校は


少しだけ遠くなった


電車通学になったし・・・


ちょっと面倒だけど仕方ないよね？


部屋を出て　リビングに向かった


お母さんは　私が寂しくないように


こっちに残ってくれたけど


「ねぇ・・・お母さん」


「何？」


「・・・本当は神谷さんの所に


行きたかったんでしょ？」


神谷さんは　お母さんの会社の同僚