月に秘めた恋
俺は光里を呼び止めた


光里は振り返る


「今日・・・一緒に帰ろう」


「え?」


「未憂と3人でならいいよな?」


それなら・・・大丈夫だと


自分に言い聞かせた


「・・・うん いいよ


じゃあ教室行ってるね?」


光里は 再び廊下を歩き出す


俺にとって 光里は


幼なじみだし・・・


それ以上でも 以下でもない


未憂は 俺の恋人だから


「やべ・・・授業・・・」


俺は腕時計を見て


廊下を歩き出した


なぁ・・・未憂


君は この時どんな気持ちだった?


少しでも 君の事を


考えていたつもりだったんだ


だけど・・・それは


余計に君を苦しめる事に


なるなんて・・・


俺自身 思いもしなかったんだ


悲しませないって 言ったそばから


悲しませて・・・ごめんな?
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