月に秘めた恋
しばらくして 湊が戻って来た


「湊! 遅いよ!」


光里は 湊に近付いた


「・・・悪い」


「あの・・・私 用事


思い出しちゃった 帰るね?」


ここは・・・笑っておかなきゃ


「じゃあ送るよ」


「平気・・・だから」


どこが平気なの?


もう自分がわからないよ


私は走ってその場を去った


光里がまだ湊の事


好きだっていうのは・・・


わかっていた


『・・・未憂ちゃんの気持ちで


あまり湊を縛らないで』


私は今まで・・・


湊を縛っていたのかな?


そう思うと 胸が痛くなる


どうすれば・・・いいの?


私には 湊しか居ないのに・・・


自分でもわからない


心が・・・痛いよ


ドクン ドクン・・・


どうしてさっきから・・・


こんな不安な音がするの?


もう・・・わからないよ
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