月に秘めた恋
そんな前からかよ


なんで・・・俺 


気付いてやれなかったんだ?


「・・・どうして言わなかったんだよ?」


「湊君にも 心配かけたくなくて・・・」


未憂の声が 少し


震えているのがわかった


きっと・・・誰にも言えなくて


心配かけたくなかったんだな


「これからは・・・俺が居るから」


「え?」


ぎゅ


俺は 未憂を抱き締めた


こいつが 李生の彼女だって


わかってる・・・


でも 今はそんな事


一瞬だけ 忘れていた


「・・・未憂には 俺が居るだろ?」


「・・・やめて!」


ドン


俺は突き飛ばされた


「私は・・・李生が好きなの


湊君の事は 好きになれないから」


そう言って 未憂は俯きながら


また震えていた


「でも・・・李生はお前が


イジメに遭ってるのに


気付かなかったんだぞ?」
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