月に秘めた恋
「なら・・・いいけど」


安心したように 菜摘は言った


よかった・・・


でも 心の中は少し


複雑な気持ちだった


ふと 廊下の窓から空を見る


今日は・・・三日月か


白い三日月が 浮かんでいた


「・・・未憂 恋って難しいんだよ?


だから 私は何も言わない


未憂の事・・・大好きだから」


「・・・菜摘」


菜摘は 私の大好きな友達・・・


高校に入って 李生と


クラスが離れて・・・


誰ともなじめなかった私に


声をかけてくれたのが 菜摘だった


「私ね・・・」


さっきの出来事を 菜摘に話す


「・・・そっか 及川君が


そんな事を・・・でも


未憂の選択は間違ってなかったと思うよ?」


私の・・・選択は間違ってなかった?


違う・・・違うの


間違っていたの


李生を裏切れないなんて


言い訳みたいな事言って・・・
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