月に秘めた恋
「じゃあ・・・今日はよく休めよ?」


そう言って 湊君は来た道を


戻って行った


なんか・・・また助けてもらっちゃった


そんな事を思いながら


私は家の中に入った


「ただいま」


靴を脱いで リビングに向かう


「お帰り 未憂」


お母さんが そう言いながら


仕事をしていた


「・・・うん」


「高校は楽しい? 最近仕事


忙しくて なかなか時間取れなくて


ごめんなさいね?」


「いいよ・・・」


「今度の休み 久々に買い物に


行きましょう?」


「・・・菜摘と行くから」


そう言って リビングを出た


いつもこんな感じで


終わってしまう


私の家には 父親はいない


小さい頃 交通事故で死んだ


もちろん兄妹はいない


部屋に入って ベッドに横になる


胸に手を当てると 


まだドキドキ言っていた
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