わがまま×優しさ
旭くんからメールが届く。
「一年生のマネージャーにアドレス聞いちゃった。」
最後にはニコニコ絵文字もつけて大輔に送られたメールは旭の嬉しさを表現していた。

旭先輩からメールが届く。
「旭です。今日は部活お疲れ。」
シンプルなそのメールは旭の好感度をますます上げる。
「お疲れ様でした。旭先輩、きちんと部費払ってくださいよ。笑」
かわいい絵文字の付いたそのメールは、旭の心を揺るがす。
「次に紗希が集計担当になるのいつ?」
いつの間にか消えている「ちゃん」。
紗希は気にも止めなかった。
「明後日ですよ。」
旭に短く送られてきたメールには、良い感情も悪い感情もなかった。
「じゃあ明後日出す。」
旭はそう送ると、ベッドに寝ころんだ。
「2つも下なんだ。」
小さくつぶやいて、現実に戻る。
「了解しましたぁ。絶対ですよ?忘れないでくださいね。」
かわいい絵文字にかわいい文章が旭の心をますます揺るがした。
「絶対な、約束する。」
旭と紗希は初めての2人だけの約束を交わす。
それから寝るまでずっと、旭と紗希はメールを続けていた。
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