our kind of love
「それはどうも。」
ぶっきらぼうな言い様とは裏腹になぜかうるさい鼓動。
俺は3本目の煙草に火を点けようとライターをカチカチさせたが、寒空の下、なかなか火が点かない。
「先生、もしかして緊張してる?」
「んなわけないだろ」
んなわけある内心を隠して、極力冷静な声を出す。
ようやく点いた煙草をくわえて、隣の彼女を盗み見る。
シンプルなデザインの黒のワンピースは、彼女にとても似合っていた。