our kind of love

「アメリカ?」

「そう。商社に就職決まって、アメリカ支社勤務になったの」


会社名を聞くと、誰でも知っている大手企業だった。

「さすがだな。おめでとう。」

本当に、さすがだ。

順調なんだな、と俺は素直に感心した。

そして少しだけ、自分が誇らしくなった。

しかし同時に、有耶無耶な自分の人生と比較し、小さく苦笑した。

なんだか最近、苦笑することが多い気がする。



「ありがとうございます」

涼しい顔をして微笑んだ彼女の表情は、相変わらず真意が読み取れない。

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