our kind of love
「……」
驚きすぎて声も出ない俺の耳元で、彼女が囁く。
「…私、もう生徒じゃないよ?」
彼女の温かい息が耳にかかり、俺の心臓は一気に跳ね上がった。
「ね、先生」
彼女は濡れた声で、俺の目を悪戯っぽく見つめる。
「私がアメリカに行くまで…」
続きは、言わなくても分かった。
どうしてだかは分からない。
パッとしない毎日に、うんざりしていたからか。
俺も同じことを心の底では望んでいたからか。
格段に美しさを増した優秀な元教え子に、この瞬間心を揺さ振られていたのは真実だった。
期限付きの、ほんのお遊び。
俺は自分にそう言い聞かせ、俺たちの関係はカウントダウンとともにスタートした。