our kind of love

「…もしもし。あなた?」

電話口からはいつもと変わらぬ妻の声がした。


「ああ。」


短く答える。雪はどんどん積もっている。


「今日帰るって言ってたんだけど、どうも雪で無理そうなの。電車もダイヤが乱れてるみたいだし。悪いけどもう1泊していってもいいかしら?」


「ああ、構わないよ。こっちも結構降ってるし。」


「そう。じゃあよろしくね。明日の夕方には着くようにするわ。また連絡する。」

「ああ。じゃあ気を付けて。」


短い、用件のみの電話を終えると、俺は長い息を吐いた。

これで家の方は大丈夫だ。

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