our kind of love

「ね、ここにいるから…」

「白井…」


いつも感情の読めない、澄ました彼女の目に、優しさと、情熱がたぎっていた。

それが俺への思いだと、遊びを越えた思いだと、勘違いしてしまいそうになる。


「先生…好き」


「え…?」


「好きなの…あの頃から」


頭が真っ白になった俺に、彼女はゆっくりとキスをした。

突然のことに目を開けたままだった俺には、彼女の長い睫毛が濡れているのが見えた。


< 56 / 91 >

この作品をシェア

pagetop