our kind of love
「…白井?」
突然のことに驚いた俺は、間抜けにもそう答えていた。
「おや先生!あの白井をお忘れとは…」
身を乗りだす勢いの津野先生に、俺は慌てて付け加えた。
「覚えてます、覚えてます。俺の受け持ちでしたし」
「ああ、そうでしたな。いやあ、あれほど手のかからん生徒も珍しかった。ずば抜けて優秀でしたな」
懐かしむように満足気な表情を浮かべる先生。
「そういえばこの間遊びに来た卒業生によると、アメリカの会社で働くそうですな」
さすが地獄耳。
「そうですか。すごいですね」
色々と面倒で、俺は知らない振りをしておいた。