our kind of love
「なんでも今月の最後の週末に発つと言ってましたから…ああ!もう今週ですな。いいですねぇ、若い人は」
あ、先生も私からすればまだまだ若くて羨ましいですけどねえ…と一人で盛り上がる津野先生を余所に、俺は心臓が掴まれたような感覚に捕われていた。
…今週末、だって?
「…それ、確かなんですか?」
「え?」
話を妙なところで中断された津野先生は一瞬固まったが、すぐに得意げな表情に戻って言った。
「もちろん確かです。なんでも白井のクラスの元学級長が住所変更の連絡を受けたそうで。その時に聞いたと言ってました」
「…すいません、ちょっと俺…教室の鍵、かけてきます」
背後でまだ何か聞こえたが、俺は鍵を引っ掴んで足早に職員室を後にした。