our kind of love
「……」
電話口の彼女の反応はなく、沈黙が辺りを包んだ。
場違いな、グラウンドで野球部の練習する声やバットを振る音がやけに耳をつく。
「…会いたいんだ」
ポケットに手を突っ込み、くしゃくしゃになった煙草を弄りながら彼女を待った。
「…先生」
「ん?」
「だめなの。…私、約束、破っちゃったから」
絞りだすようにようやくそう言った彼女。
「約束って…?」
再び黙り込む彼女に、俺は畳み掛けた。