our kind of love

「…先生」


今にも泣きそうな顔を、それでも凛とさせ、彼女はゆっくりとそれだけ言った。


…もう限界だ。

俺は迷わず彼女の元に駆け寄ると、華奢な腕を引いて思い切り抱き締めた。


「……なんで…」


いつものように抱き締め返してはこずに、彼女は俺の腕の中で身体を震わせた。


「…言ったろ。会いたいって」


その瞬間、彼女はやっと泣いてくれた。


< 83 / 91 >

この作品をシェア

pagetop