月夜に舞う桜華
他の学校は土足のところもあるのに、何故かこの学校は上履きに履き替えなきゃいけない。
面倒だが、衛生上仕方無いとも思う。
下履きを脱いで手に持ち、靴箱を開ける。
「?……何これ」
靴箱には上履きと別に白い封筒が置かれていた。
首を傾けながら、それを手にとる。
「……………。」
「………椿?」
直ぐに、朔夜が上履きに履き替えてあたしの傍らに立った。
白い封筒を持ったまま立ち尽くしているあたしを不振に思ったのだろう、顔を覗かせてきた。
「………なんだそれ」
「何って……………『果たし状』」
それには、でかでかと『果たし状』とお世辞にも綺麗とは言えない字で書かれていた。
「果たし状?」
不思議がる朔夜にあたしも同意見だった。