月夜に舞う桜華
「お…うき、だと……?」
和は、信じられないと言った顔で、目の前で報告をする副総長、雷心は、しっかり頷く。
「その女が、言ったらしい。………桜姫がお前を潰しに行くって」
「?!」
和は、額に手をやって、酷く動揺している。
「和?」
「まさ……か、そ……なはず」
カタカタと震えだした和に、雷心は慌てる。
「ど、どうした?!」
「そいつの特徴は!?」
噛みつくように顔をあげた和に、雷心は目を見開き、一歩下がる。
「と、特徴?いや、暗くて、な」
「っクソ」
拳を壁に打ち付ける。
「すまない……あいつらも、とんでもなく強かったってしか……」
「………っ」
和の心は、乱れていた。
あり得ない、あり得ない。