月夜に舞う桜華



和は雷心を見る。
今の皇蘭の連中は、知らない。


教えていないから、存在を消したから。
元から、桜姫という人間は存在していなかった。


「………桜姫は、皇蘭の初代総長」

「!」


雷心は目を見開く。
初代と言うことはつまり。







「皇蘭を、創った女だ」






そして。




「俺が、殺した、はずの女だ」







一番になりたかった。



強くなりたかった。



あいつより、ずっとずっと強く。





ただ、それだけのはずだった。





誰よりもあいつを





アイシテイタカラ





< 118 / 310 >

この作品をシェア

pagetop