月夜に舞う桜華
――――――――
―――――
「よしっ」
腕捲りをしながら気合いの入った声を出す彰真にあたしは苦笑する。
彰真と喧嘩すると決めたが吉日、彰真は直ぐに屋上に連れてきた。
屋上ってなんかベタだな、と思いながら準備体操まで始めた彰真に倣って軽くストレッチ。
やっぱり、動くときは最大限まで動けるようにしないとね。
「っし、いいか!どっちかが倒れるまでだからな!」
指であたしを差しながら彰真は宣言する。あたしは、頷きながら肩を回す。
「了解―いつでもどうぞ」
「はっ、」
彰真が構える。
その構えは、あの日雅龍の倉庫で見たものとは少し変わっていた。
(まぁ、喧嘩だし)
構えは適当だよな。
自分も構えながらぼんやりと思った。