月夜に舞う桜華



気がついたら、結果大きくなっていて、集まってくる人間もそういう連中ばかりだったからいつの間にか暴走族なんてくくりに入れられて、喧嘩するようになった。
ずっと皆でいるためにあたしは強くなることに決めたんだ。


ただ、それだけ。
あたしは馬鹿みたいに一緒に笑いあえるだけでよかった。


「随分無責任な総長様だな」


ハッと彰真は笑う。


「だから、今の総長ダメなんじゃね?」

「………」

「俺も、こんな総長、嫌だし」


………和も同じようなこと思ってたんだろうな。
あたしが総長じゃ、ダメだと。


それなら、直接言えばよかったのに。



あぁ………違うな。


和は、あたしが憎かったんだ。


だから、あたしに刃を向けたんだ。



裏切ったんだ。


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