月夜に舞う桜華



「珍しいね………」


そのガリュウって知らないとまずいのだろうか。


それを聞こうと口を開く前に、鼓膜が割れそうなくらいに大きな声が耳を射す。


「んなのどうでもいい!!女!今すぐ出ていけ!!!」

「…………」


声の主は赤髪のもので、赤髪は、大分距離をとりながら目くじらを立てている。


「でたよ、女嫌い」


金髪が呆れたように呟く。


女嫌い……ね。


「女嫌いなの?」

「あったりまえだ!!」


今にも泣き出しそうな赤髪にあたしはクスリと笑う。
睡眠妨害もされたし、他に人も来た。
あたしがここにいる理由はなくなったので、階段に向かって歩き出す。


「――――待て」


しかし、ドアに手をかけたあたしを黒に銀のメッシュの男が呼び止める。


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