月夜に舞う桜華



「椿!!」


ハッと椿を見ると、一人に後ろから捕まれ、他の三人に宥められている三人が目にはいる。
しかし、椿は周りが見えていないのか、止まらない。


俺は、倒れている彰真に目をやる。
一体こいつは椿に何を言ったのだろうか。


「椿、やめろ!!」

「もう、こいつは動けないっ」

「黙れ!!どけ!!」


叫ぶ椿は、普通の椿じゃなかった。
もがく椿にそれでも司が離さないので、諦めたのか急に大人しくなる。


(………ヤバい、な)


俺は、椿の元に急いだ。
しかし、その前に椿の肘が司に直撃した。


「っ」

「司!っ!?」

「椿、待て!!」


俺が、制止するのも間に合わず椿は四人を殴り倒してしまった。
ふらふらとしながら椿の目には彰真しか映っていない。


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