月夜に舞う桜華



肩越しに振り替えれば眉間に皺を一杯に寄せた表情。そこには、僅かに殺気も含まれていた。


「(女に殺気向けるなんて心狭いなぁ………)何?」

「俺の質問には答えてねぇぞ」


睨みで殺せそうな鋭さに、あたしじゃなかったら他の女は気絶していただろうなぁと暢気に思う。


「………答えなきゃ、いけない?」

「……なんだと」

「君たちの溜まり場なら、二度と来ないし」


せっかくのお気に入りトップファイブにはいっていたのになぁ、と思いながらあたしはヒラヒラと手を振った。


「じゃあね、ガリュウの皆さん」


バタンと閉められたドアは、暫く開かれることはなかった。


「…………なんでしょう、今の…」

「変な子ー……綺麗だったけど」

「やっと消えた……」

「(あいつ………)」



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