月夜に舞う桜華
かわるもの
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息が苦しくなってハッと覚醒する。
ぶくぶくと目の前を気泡が通りすぎていく。口を開けようとすると大きな気泡と同時に大量の水が体の中に入ってこようとする。
呆ける頭を無理矢理起こす。
ようやく自分が何処にいるのか悟る。
これは夢だ。
そうわかっているのにこの苦しさは本物のようだ。
不思議だ。
(――――気付いてるでしょ?)
頭の中で違うフィルムを貼っているような声が響く。
(もう、何もかも捨てなよ)
捨てる?何を?
(逃げてるかもしれないけど逃げ切れてないんだよ)
何からあたしは逃げているの?
(もう、十分傷ついた)
まさか、あたしに傷なんてあるわけない。