月夜に舞う桜華
布団の中で悶絶していると、ものの数分で朔夜が温かいお粥と一緒に戻ってきた。
「………何してるんだ?」
「な、にも……」
蹴り散らかされた毛布に首を傾ける朔夜にあたしは苦笑を返す。
それほど気にならなかったようですぐに傍らにまで来て近くにおいてあるテーブルにお粥の鍋を置く。
「お粥、食えるだろ」
「………朔夜が、作ったの?」
上半身を起こそうとするとさりげなく支えてくれた。
「あぁ、俺が作った」
「凄い……」
「たかがお粥、すぐに作れる」
朔夜は小さく笑って土鍋に作ったお粥を取り皿によそう。そしてレンゲと一緒に渡された。
「ほら」
「ありがとう」
あたしは、お粥を受け取って改めて確認する。