月夜に舞う桜華
見るからにお粥だ。
でも、なんと言うか、料理慣れしてる人の料理って感じがする。
普段料理なんてしないあたしにはこんなお粥は作れないと思った。
お粥を平らげ、お腹を満たし、ベッドに寝かされる。
その動作は、妹のような扱いだ。
ポンポンと安心させるような宥め方にあたしは、少しだけ眉を寄せた。
ほんの少し気づかれないくらいだったのにも関わらず朔夜は、手を止める。
「どうした」
「………何でもない」
「不満そうだが」
「………」
どうやら、朔夜にはお見通しらしい。
だんだんと眉に皺がよっていく朔夜にあたしは心の中で両手を上げた。
「別………なんか子ども扱いだな、なんて思ってない……」
し、と正直に告白すると、一瞬唖然とした朔夜は小さく吹き出した。