月夜に舞う桜華
望まぬ再会



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流れていく景色。
だんだんと雅龍の倉庫から離れていく。
流石にドライブに行って良いと言われても戻った方が良いんじゃないかと思い始めた。


「ねぇ!!」

「なんですか!?」

「どこまで行くの!!」


爆音の中だから中々相手の言葉が耳に届かない。
大声を出しても、小さくしか聞き取れない。


(喉痛くなる………)


「ついたら分かりますよ!!」


雷心は、それだけ言うと更にスピードを上げた。
また、倉庫から遠ざかっていく。


(……………。)


雷心にしがみつきながら、何となくおかしいと思う。
そもそも、あたしが朔夜と一緒にいるだけで喚く司達がすんなり見送ったのも今思えば怪しい。
何か、あたしの知らないうちに動いていない……?


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