月夜に舞う桜華
よしっとあたしは掃除棚から箒を取り出した。
掃除は嫌いじゃない。
―――――三時間後。
「♪~♪~」
図書館の隅の隅までくまなく掃除をすれば本来図書館があるべき姿へと戻った。
「よし」
図書館を見渡して満足する。
箒を直して、椅子に腰掛ける。
「つかれたなぁ……」
ふあぁと欠伸を一つ。
掃除ってかなり体力使うなぁ。
「取りあえず……寝よ」
ここは誰も来ない。
まぁ来るはずもないんだけどさ、しっかりドアは閉めたし。
椅子に座って机に突っ伏する。
ひんやりと机の冷たさがあたしの体温を奪っていく。
秋が近くなってきているから、やはり寒く感じる。
それでも気持ちよくて目を閉じる。