月夜に舞う桜華
でも、そう言わずにはいられない。
「そうだな……」
「生きててショックだったかもな」
「まあな」
「次は、ここを狙え」
トントンと心臓のある場所を指差す。
ピクリと和の眉が動く。
「また、殺させてくれるのか?」
スッと和の目が細くなる。
あたしは、ニヤリと笑う。
「殺せるものならな」
あの時、桜姫はすぐに諦めた。
大事な仲間に裏切られたから、絶望していた。
でも、今は違う。
桜姫は死んだ。
ここにいるのは、ただの椿だ。
椿は、すぐには死なない。
「なら………話は早い」
ニヤリと悪魔のような笑みを浮かべながら和は、制服のポケットから折り畳み式ナイフを取り出す。
「また、死んでくれ……桜姫」