月夜に舞う桜華



―――――――
―――――


爆音鳴り響くバイク音、怒号、喧騒。
一つの倉庫内で木霊し大きくなっていく。


「おらぁっ」

「邪魔だぁ!!」



飛んでくる鉄バットか破片、拳を避け、殴り返しながら俺達は前に進んでいた。


――――おかしいと思った。


皇蘭に攻め行った。椿を救うためだ。しかし、乗り込んだ皇蘭は、敵襲なんて予想していなかったかのようにふざけあったりしていたのだ。
俺達を見るなり戦闘体勢になったが、圧倒的な準備不足。


(俺達の、動きを知らなかった…?)


否、そんなことはないはずだ。
少し前に椿が来ているはず。


雑魚を殴り倒しながら俺は皇蘭の奴の声を聞いた。


「おい!総長と副総長はどうした!?」

「連絡がとれねぇんだ!!!」

「くそっ」


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