月夜に舞う桜華
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「怖くねぇの?」
窓から射し込む光を反射させキラキラ光るナイフをちらつかせながら和は、一歩前に進む。
「怖い?」
あたしが?怖がる?
「つまんねえなぁ――」
はぁ、と溜め息をひとつ。
もっと震えるなりしてくれたら興奮するのに、と和はイカれたことを口にする。
近づいてくる和に、あたしはふとあることを思い出す。
「………和」
「なに?」
「あんた、皇蘭の総長になってどう?」
あたしを殺してまで得たかった場所に今いられるその気分は。
「勿論最高だったぜ」
ニヤリと笑う和にそう、と返す。
最高、か。
そりゃそうだろうな。
「桜姫の場所が俺の場所だぜ?」
これほど嬉しいことはなかったぜ。