月夜に舞う桜華
結末



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――――――


見つからない。


「ッチ……あの野郎……」


バイクを走らせる。
思い付く場所を探しても椿の居場所に繋がらない。


どこにいる?椿……!


がむしゃらに探しても効率が悪いことは分かっている。
しかし、そうでもしていないと自分をコントロールすることができそうにない。


一旦、コンビニが見えてきたので駐車場に止める。
ヘルメットを取って、携帯を確認すると、何件もの着信があった。
見ると、全て昌からのものだった。


かけ直そうと番号を呼び出せば、また着信。


「―――俺だ」

『やっと出ましたね』

「何かあったか?」

『椿さんに会えました?』


電話越しの昌の声は、酷く落ち着いていて、それが俺をイラつかせる。


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