月夜に舞う桜華
「じゃあ何をご所望?」
「おい、和」
今まであたし達のやり取りを見ていた雷心が苛ついたように割って入ってきた。
「早くしろよ」
「雷心」
「あんま時間ねぇだろ」
和は雷心を見上げ、暫し考えた後そうだなと頷いた。
そして、何故かナイフを畳んだ。
「………?」
すぐにでもぐっさり殺られると思っていたのでナイフを畳んだ和に首を傾ける。
和は、畳んだナイフをポケットに直すと、代わりにじゃらじゃらと音をたてながら別のものを取り出す。
「な、」
抗議の声をあげる前にガシャンと音を立てて―――あたしは、手錠に繋がれた。
「よし」
ガシャンと和は空いている手錠を自分の手首に繋ぐ。
「何を……!!」