月夜に舞う桜華
「あ?」
「何?貴方は道ですれ違った人にも聞くわけ?」
「………」
ハッと鼻で笑えば銀のメッシュは黙った。
あたしの勝ち~。
「用はそれだけ?だったら帰ってくんない?あたし寝たいの」
「………勝手に寝れば」
「貴方がいたら眠れないし」
他人がいると寝れないんだよね。
銀のメッシュから離れた場所に座って頬を冷たい机に押しつける。
(明日はクッションでも持ってこよう)
「…………」
「…………」
「………………まだ何か?」
何時まで経っても銀のメッシュは出ていかない。
流石のあたしも苛立ってきた。
他人と密室に長時間いるのすら嫌なのに。
せっかく優しい声で言ったのに、崩れそうになる。
銀のメッシュは、ゆっくりと腰を上げた。