月夜に舞う桜華



でも残念ながら、


「興味ない」

「………」

「それだけなら出ていけ」


あしらってあたしは机に伏せる。
総長だから何だって言うんだ。
総長なんて名前だけ。
所詮同じ人間だ。


あーイライラする……


「…………」

「…………」

「…………」

「…………っだあっ何なんだ!!」


ガバッと顔を上げれば、あたしを穴が開くくらいに見つめている銀のメッシュ。


「お前、名前何?」

「はぁ?」

「名前」

「…………名前聞く前に自分の名前言えば?」

「あぁ、そうだな………俺は、結城。結城朔夜」

「あたしは、五十嵐椿」

「椿………」


何回も反復させる朔夜にあたしはますます訳がわからなくなる。


(頭可笑しいんかな?)


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