月夜に舞う桜華
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「………あいつの最期は、」
「うん。もういいよ……」
言わなくても分かる、和は海で死んだ。
あたしと、桜姫と一緒に。
でもあたしは帰ってきたんだ。
椿として。
「………椿、」
「ぅん?」
「抑えなくてもいい」
「え……?」
「涙」
言われて初めてあたしは自分が泣いていることに気付いた。
胸が熱い。
止めどなく流れる涙をあたしは制御できない。
そんなあたしを朔夜は、頭を撫でてくれながら慰めてくれる。
(和、哀しいよ)
あの時、先に逝くって言うのはこういう意味だったんだな。
ごめん。
見送ってくれた時、和、お前はどんな気持ちであたしを見送ったのかな。