月夜に舞う桜華
そんな失礼なことを思ってしまった。
「もういいでしょ?」
「……………なぁ」
「………何」
右手で頬杖をついて、あたしは溜め息をついた。
今度は何を言うのだろう、等と思いながら一つ欠伸をする。
「………お前が欲しくなった」
ガン、ガッ。
ズルッと頬が手から滑り、あたしの上半身は机に沈んだ。
「………………………は?」
そのままの状態であたしは朔夜を見上げた。
信じられない、と言う目で。
(今の、聞き違いだよね、うん)
幻聴だとあたしは信じている。
しかし、あたしのそんな願いは、朔夜によって打ち砕かれる。
「お前が欲しい」
「…………頭でも打った?」
「打ってない」
「はぁ………馬鹿げたことを言わないで」