月夜に舞う桜華
体が少しダルい。
それは仕方ないかもしれない。
(――――あれから、3ヶ月)
生死をさ迷って戻ってきてから3ヶ月。
長いようで短い期間だった。
入院中一番きつかったのは歩くリハビリ。和に刺された傷が痛み歩くのは大変で時々意識が飛びそうになったのを覚えている。
約1ヶ月でリハビリと傷の治療をして退院してから2ヶ月。
ようやく日常生活に支障がないくらいに回復した。
傷は、時々痛むが問題ない。
服で隠れているか服の下にある傷は十字架の様になっている。
鏡を通して見た十字架にあたしは思わず笑ってしまった。
「椿」
名前を呼ばれて下に視線を下げると朔夜がベッドに腰掛けながらあたしを見上げている。
「どうしたの」
首を傾けて見せれば朔夜は首を振る。