月夜に舞う桜華



だから、退院してからは朔夜の家があたしの家になった。


『は?……ふざけんな』

『ふざけてない』

『一緒に寝ないっておかしい』

『一緒に寝るのがおかしい』


夜は、一人で寝るか二人で寝るか。
引っ越してきて言い争った。
あたしは、断然一人がいいし、でも朔夜は二人がいい。


病み上がりだから嫌だ、て言えば全快したらいいんだなと自分の失態に嘆く。


反抗すれば、ギロリと睨まれた後、『なんでも聞くって言ったろ』と返される。


そういわれてしまえば何も返せない。


渋々了承したけど、全快じゃないのに今日みたいに忍び込んでいることが殆ど、全く意味がない。


諦めた方が早い方な気が最近はしている。

(自分がこんな生活するなんてな、)


苦笑する。


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