月夜に舞う桜華
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ガンガン痛みを訴えてきた頭にあたしはゆっくりと覚醒した。
視界が滲んでいる。
「また、か………」
額に腕を置いて目を閉じる。
「今更、」
グッと唇を噛む。
夢に見るなんて、まだ未練があるの?
身をもって思い知っただろ?椿。
どれだけ思っても、無駄だったって事を。
「…………依存しすぎてたな」
だって、まだ、こんなにも胸が痛い。
「…………皇蘭、」
『―――――ずっと一緒ですよ!!』
「ハッ……嘘をつけ」
むくりと上半身を起こす。
泣いたせいで頭がズキズキ痛む。
目も熱い。
ポタポタとシーツに染み込む水は汗か、涙か。
「ハハッ………」
前髪を掻きあげ、あたしはただ、笑った。