月夜に舞う桜華
あたしの言葉を遮って赤髪が吠えた。
その目には、闘う意志が現れているようだ。
「やってやるよ………俺は、弱くねぇ」
「ふーん」
「俺が勝ったら仲間になれよ」
「………勝ったら、ね」
クスリと笑えば、それが勘に障ったのか、殺気がグンッと上がる。
殺気を間近に受けて、あたしは、無意識に震えていた体を押さえつけるように手で押さえる。
体が、歓喜に震えているのだ。
殺気を浴びることで、あたしの中の『桜姫』が目を覚ます。
「………じゃあ、殺し合い、しようか?」
「っ」
「場所は、さっきの倉庫の入ったばかりのところにしよう」
観客は沢山いたほうがいいし。
そう言えば赤髪は、頷いてあたしに背中を向ける。
そして、肩越しに振り返り顎で来いっと言ったので仕方なくその後についていった。