月夜に舞う桜華
「らぁっ!!」
拳を振り上げ瞬時に打ち込んでくる。
狙いはあたしの顔。
(いきなり顔?)
女は顔が大切なんだけど、とか思いながら軽く避けた。
すると、倉庫内が一気にざわついた。
「まぢかよ………」
「彰真さんのが避けられるなんて……」
耳に飛び込んでくる言葉に、どうやらこいつの拳を避けるのは凄い事らしい。
(まぁ………幹部だし)
強くなきゃいけないよな。
「……今のが避けれたのは凄いな」
「それはどうも」
ニヤリと笑って赤髪が第2弾を繰り出してくる。
それも紙一重で避ける。
「おいおい!避けるだけかよ!?」
「ん――?」
「それでも総長だったのか?!」
赤髪は、もう自分が勝ったと思っている。