月夜に舞う桜華
固まる四人の間をすり抜けようとしたが阻まれる。
見上げれば、悲しそうに顔を歪ませている姿がある。
「俺達だって、死んだって言われたんだ!」
「………」
「でも、目の前にいるだろ!?」
「………潤」
「――――そうだ」
別の声にそちらに顔を向ければ、潤と同じような表情であたしを見ていた。
「ずっと、俺達は桜姫が死んだと信じて、皇蘭も抜けた」
「智詩………」
「忘れてないだろ?誓いを」
誓い………
忘れるわけない。あたしだって誓ったし、信じていた。
だからこそ、あの衝撃は忘れない。
「なぁ、桜姫」
また別の声にあたしは、その声の方を向く。
「雅紀」
「俺達に誓いを護らせてくれよ……」
懇願するよるな声音にあたしは、ぐらりと傾きかける。