月夜に舞う桜華
「今の皇蘭総長が簡単にヤれる奴だとは思えない」
―――悔しい、と思った。
朔夜の言葉が図星だっただけに。
和の強さはあたしが一番知っている。
あれから、一年半経つ。
きっと、和はあの頃より強くなっているだろうと思う。
だけど、
「………貴方が言ったでしょ」
落とし前をつけろって。
「あぁ」
「今の貴方の行動は、矛盾している」
自分がしろと言ったくせに、今更俺達が、ておかしいじゃないか。
「あれは、お前を俺の側に置くために言った」
あぁ言えば、大人しく雅龍に入ると思ったから。
しかし、実際は、見事に彰真を打ち破り、雅龍勧誘もはね除けてしまった。
「見事な誤算だな」
「………」
「な?俺達が手伝ってやる」
「だから、貴方の女になれって?」