月夜に舞う桜華
「―――確かに、そうだな」
ふむ、と朔夜は頷き、じゃあ、と続ける。
「どうすれば信じてもらえるだろうな?」
「…………」
どうすれば、なんてあたしに聞かないで欲しい。
あたしだってわからないんだ。
どうすれば、人を信じれるのだろうか。
誰か、教えて欲しい。
「手始めに、雅龍に来い」
「?」
「雅龍で、俺の傍にいて、決めれば良い」
俺が、俺達が信頼するに値するかどうか。見定めれば良い。
「………随分な自信…」
「当たり前だろ」
俺の、雅龍だぞ?と誇らしげに言う朔夜が少し、羨ましく思った。
「それで良いだろ?椿」
「…………考えとく」
再び歩き出したあたしに、朔夜は小さく笑うと横について歩き出す。
真夜中に歩く二人。
そんなあたし達を星達が見守るように夜空で光っていた。